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疾患解説

フリガナ リュウコウセイジカセンエン
別名 ムンプス
おたふくかぜ
臓器区分 感染性疾患
英疾患名 Mumps
ICD10 B26.9
疾患の概念 ムンプスウイルスが原因の急性、伝染性、全身性疾患で、通常は唾液腺、多くは耳下腺に有痛性腫脹を引き起こす。合併症として睾丸炎、髄膜脳炎、膵炎を発症することがある。ウイルスは、唾液腺腫脹が出現する最長7日前には唾液腺内部に存在し、耳下腺炎発生の直前に最も伝染性が高くなり、飛沫及び唾液によって伝染する。あらゆる年齢で発症するが、2歳未満、特に1歳未満の小児では稀である。約25~30%の症例は臨床的に不顕性感染となり、通常は1回の感染で終生免疫が成立する。5類感染症定点把握疾患に定められている。
診断の手掛 14~24日間の潜伏期後、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、発熱で始まり、12~24時間後に耳下腺の腫大、疼痛を訴える患者を診たら本症を疑う。39.5~40℃までの発熱が24~48時間持続する。唾液腺腫脹のピークは2日目で、5~7日間続き発熱期間中は激しい圧痛を伴う。耳下腺炎は通常両側性であるが、片側性のこともある。咀嚼時または嚥下時の疼痛、特に酢や柑橘類の果汁など酸味のある液体を飲み込む際の痛みが、最も早期の症状である。ムンプスは、思春期以降の患者では、精巣炎(男性患者の20%)または卵巣炎、髄膜炎(耳下腺炎患者の1~10%)または脳炎、膵炎(第1週の終わりまでに発症する)を合併するので注意する。
主訴 下腹部痛|Hypogastric pain
顔面神経麻痺|Facial paralysis/Facial palsy
ギラン-バレー様症状|Guillain-Barre syndrome-like symptomes
食欲不振|Anorexia
耳下腺腫脹|Swelling of parotid gland
上腹部痛|Upper abdominal pain
髄膜刺激症状|Meningeal irritation sign
頭痛|Headache/Cephalalgia
精巣腫脹|Swelling of testis
精巣疼痛|Orchialgia/Testalgia
全身倦怠感|General malaise/Fatigue
難聴|Hearing loss
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
腹痛|Abdominal pain
不随意運動|Involuntary movement
鑑別疾患 化膿性耳下腺炎
反復性耳下腺炎
無菌性髄膜炎|Aseptic Meningitis
脳炎|Encephalitis
ウイルス性耳下腺炎
尿毒症
糖尿病|Diabetes Mellitus
Mikulicz症候群
唾液腺腫瘍
薬剤(ヨウ化物、フェニルブタゾン、プロピルチオウラシル)
スクリーニング検査 Albumin|アルブミン [/U]
Amylase|アミラーゼ [/S, /U]
Erythrocytes|赤血球数 [/U]
Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B]
Glucose|グルコース/血糖/ブドウ糖 [/CSF]
Leukocytes|白血球数 [/B, /B, /CSF]
Lymphocytes|リンパ球 [/B, /CSF]
Monocytes|単球 [/B]
Neutrophils|好中球 [/CSF]
Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/CSF, /U]
異常値を示す検査 Cells [/CSF]
Cold Agglutinins|寒冷凝集反応/寒冷血球凝集反応 [/S]
Complement Fixation [/S]
Erythrocyte Casts|円柱 [/U]
Hemagglutination Inhibition [/S]
Lipase|リパーゼ/膵リパーゼ [/S]
Mumps Virus Antibody|ムンプスウイルス抗体/ムンプスウイルスIgG/ムンプスウイルスIgM/抗ムンプスウイルス抗体 [/S]
Neutralizing Antibodies [/S]
関連する検査の読み方 【CBC】
相対的なリンパ球増加が見られることがある。
【ムンプスウイルス抗体】
感染の有無を知るために有用である。ペア血清でのIgG抗体の有意な上昇、または一回の採血で特異的IgMが証明出来れば診断が確定する。ムンプスウイルスは髄膜炎、脳炎、膵炎、心筋炎、睾丸炎、卵巣炎、ムンプス難聴など重篤な疾患を発症する病原ウイルスである。特に中枢神経の合併症による後遺症は発症すれば治療は困難である。臨床的には耳下腺や顎下腺の腫脹を見た場合に測定が必要となる。診断は急性期には感染後数日で診断可能なIgM抗体を検出するか、ペア血清でIgG抗体の優位な上昇で判断する。また、ムンプス髄膜炎では髄液中のIgG抗体が91%の患者で高値になるとされている。
【アミラーゼ】
唾液腺由来のアミラーゼが増加する。
【CSF】
髄膜炎を発症すると、リンパ球系白血球が増加する。
【アミロイドA】
A群溶血性連鎖球菌感染を疑わせる咽頭炎や扁桃炎の患者の咽頭拭い液を検体として菌体抗原を迅速に検出する検査である。臨床的には迅速に原因菌を確定することで、早期の感染コントロールが可能となる。ただし、検査材料中の菌数が少ない場合は、陰性となる可能性もあるので注意が必要である。また、最近増加が報告されている劇症型溶連菌感染症では、迅速検査の有用性が評価されているので、中高齢者の咽頭炎を見たら積極的に検査を進める。
【ブドウ糖】
髄液中のブドウ糖は通常は基準範囲内であるが、時に20~40mg/dLになることもある。
検体検査以外の検査計画 聴力検査

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