疾患解説
フリガナ | カビンセイハイゾウエン |
別名 |
過敏性肺炎 アレルギー性肺胞炎 外因性アレルギー肺胞炎 |
臓器区分 | 呼吸器疾患 |
英疾患名 | Hypersensitivity Pneumonitis |
ICD10 | J67.9 |
疾患の概念 | 外因性アレルギー性肺胞隔炎とも呼ばれている。環境性・職業性抗原に感作され、その結果、Ⅲ型およびⅣ型アレルギー反応が細気管支から肺胞にかけて起こり、発症するびまん性肉芽腫性間質性肺炎である。咳、呼吸困難、易疲労感を主症状とする症候群で、細気管支から肺胞にかけて、びまん性肉芽腫性肺炎が見られる。免疫学的な要因で引き起こされた、肺胞隔壁や肺実質の炎症性疾患で、感受性のある宿主が、様々な抗原となる物質を繰り返し吸入することで発症する。 |
診断の手掛 | 臨床経過から急性型、亜急性型、慢性型に分けられる。急性型は、抗原暴露後4~6時間で発熱、咳、呼吸困難などの症状を来す。亜急性型は、少量の抗原暴露で発症し、咳で始まることが多い。慢性型は、急性型、亜急性型が反復して起こるが、症状に乏しく、次第に呼吸不全に進展する。主として職業病として発症し、疾患として農夫肺、加湿器肺、愛鳥家肺、サトウキビ肺、セコイア症、カエデ樹皮病、キノコ採り病、コルク肺、洗濯業者肺がある。 |
主訴 |
易疲労感|Fatigue 呼吸困難|Dyspnea 頭痛|Headache/Cephalalgia 咳|Cough 全身倦怠感|General malaise/Fatigue 体重減少|Weight loss 痰|Sputum チアノーゼ|Cyanosis/Cyanopathy 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever やせ|Weight loss 労作時呼吸困難|Exertional dyspnea |
鑑別疾患 |
かぜ症候群 マイコプラズマ肺炎 ウイルス性肺炎 特発性肺線維症|Idiopathic Pulmonary Fibrosis(IPF) 粟粒結核 間質性肺炎 サルコイドーシス|Sarcoidosis ベリリウム症|Berylliosis 好酸球性肺炎|Pulmonary Infiltration with Eosinophilia/Eosinophilic pneumomia 膠原病性間質性肺炎 薬剤性肺炎 非特異性間質性肺炎 ニューモシスチス肺炎|Pneumocystis Pneumonia 特発性間質性肺炎|Idiopathic Interstitial Pneumonia(IIP) 塵肺症 肺胞蛋白症|Pulmonary Alveolar Proteinosis びまん性汎細気管支炎 |
スクリーニング検査 |
Eosinophils|好酸球 [/B] Leukocytes|白血球数 [/B] Lymphocytes|リンパ球 [/B,/BAL Fluid] Neutrophils|好中球 [/B] Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/BAL Fluid] γ-Globulin|γ-グロブリン [/S] |
異常値を示す検査 |
CD4+:CD8+ Lymphocytes Ratio [/BAL Fluid] Oxygen Partial Pressure|動脈血O2分圧/酸素分圧/O2分圧/PO2 [/B] Oxygen Saturation|酸素飽和度/O2飽和度 [/B] pH|尿pH [/B] Precipitins [/S] Surfactant Protein A|サーファクタントプロテインA/肺サーファクタントプロテインA [/BAL Fluid] |
関連する検査の読み方 |
【CBC】 抗原暴露後好中球増加とリンパ球減少がしばしば見られる。好酸球は増加するが特徴的でない。 【CRP】【ESR】 増加することがある。 【気管支肺胞洗浄液検査】 抗原暴露後24時間以内では多核白血球が増加するが、通常はリンパ球が50~90%を占め大部分はTリンパ球である。リンパ球が60%を超え、CD4+:CD8+比が1.0未満がこの疾患の特徴である。CD4+優位であればサルコイドーシスを考える。 【ツベルクリン反応】 陰性化することがある。 【動脈血ガス分析】 低酸素血症を認める。 【肺生検】 非侵襲的検査が決定的でない場合の選択肢として有用である。 |
検体検査以外の検査計画 | 胸部X線検査、胸部CT検査、肺機能検査 |