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疾患解説

フリガナ ヘンズツウ
別名 緊張性頭痛
臓器区分 神経・筋疾患
英疾患名 Migraine
ICD10 G43.9
疾患の概念 片頭痛は、発作性の一次性頭痛で、症状は4~72時間続く、しばしば一側性、拍動性の頭痛で、労作によって増悪し、悪心、嘔吐、光・音・匂いに対する過敏症状を伴う。少数の患者では、頭痛の直前に閃輝暗点などの一過性局所神経障害が見られる。片頭痛は、中枢神経処理の異常および神経ペプチドの放出を誘発することで、頭蓋内血管と硬膜に疼痛を伴う炎症を引き起こす神経血管性の疼痛症候群と考えられている。誘発因子として赤ワイン、月経、空腹、睡眠不足、不安、失望、香水などがある。前兆は約25%の患者で見られ、通常、頭痛の直前に生じるが、ときに頭痛の後にも起こる。また、女性では、エストロゲンの変動が、強力な誘発因子で、多くの女性は、初経時に片頭痛を発症し、月経時に重度の月経時片頭痛を経験するが、症状は更年期に増悪し、妊娠期に寛解する
診断の手掛 発作の前に気分変化、食欲減退、悪心などの予兆がある。約25%の患者は、発作に前兆を伴う。数分から1時間持続する頭痛に先行して悪心、嘔吐、閃輝暗点、手指と顔面のシビレなどの前兆症状を訴える患者を診たら本症を疑う。頭痛発作は、拍動性の嘔吐を伴う頭蓋の圧痛と表現される。最も一般的な症状は、閃輝暗点である。また、大多数の患者は発作中、暗く静かな部屋で横になりたがるので、慎重に問診をする。
主訴 嘔吐|Vomiting
悪心|Nausea
肩圧痛|Shoulder tenderness
肩運動痛|Shoulder pain on motion
肩こり|Stiff neck and shoulder
片麻痺|Hemiplegia
外眼筋麻痺|External ophthalmoplegia
顔面紅潮|Facial suffusion
顔面蒼白|Pallor of face
顔面のしびれ|Facial numbness
下痢|Diarrhea
視野障害|Disturbance in visual field
手指のしびれ|Sensory disturbance of digits of hand
閃輝暗点|Scintillating scotoma/Teichopsia
拍動性頭痛|Throbbing headache/Pulsating headache
発汗|Sweating/Perspiration/Hidropoiesis
腹痛|Abdominal pain
鑑別疾患 くも膜下出血|Subarachnoid Hemorrhage
緊張性頭痛
群発頭痛
脳静脈洞血栓症
慢性硬膜下血腫
脳腫瘍|Cerebral Tumor
髄膜炎|Meningitis
側頭動脈炎|Temporal Arteritis
急性緑内障
スクリーニング検査 Platelets|血小板 [/B]
異常値を示す検査 5-Hydroxyindoleacetic Acid|5-ヒドロキシインドール酢酸 [/U]
5-Hydroxytryptamine, Free [/P]
Adenosine|アデノシン [/P]
Anticardiolipin Antibodies|抗リン脂質抗体/抗PL抗体/抗カルジオリピン(CL)抗体/ループスアンチコアグラント(LA)/リン脂質抗体 [/S]
Cortisol|コルチゾール [/P]
Dopamine|ドーパミン [/P, /P]
Endothelin-1|エンドセリン [/P]
Epinephrine|カテコールアミン総 [/P]
Epinephrine: Norepinephrine Ratio [/P]
Histamine|ヒスタミン [/P, /WBC]
Interleukin-2|インターロイキン-2 [/S]
Met-Enkephalin [/P]
Monoamine Oxidase|モノアミンオキシダーゼ [/Platelets, /Platelets]
Norepinephrine|カテコールアミン総 [/P, /P]
Platelet Aggregation response to ADP [/B]
Platelet Aggregation response to Epinephrine [/B]
Platelet Aggregation response to Serotonin [/B]
Serotonin|セロトニン/5-ヒドロキシトリプタミン [/P, /Platelets]
Thromboxane B2|トロンボキサンB2 [/P]
Vanillylmandelic Acid|バニリルマンデル酸 [/U]
β-Endorphin|β-エンドルフィン [/CSF]
β-Lipoprotein|β-リポ蛋白 [/CSF]
関連する検査の読み方 【セロトニン】
低値であるが発作前に高値になる。5-HTは約90%が消化管に、残りが脳と血小板に分布し血管や気管支の平滑筋収縮、消化管運動・分泌調節、知覚・睡眠などへの関与、血小板凝集促進などの作用がある。血中5-HTの大部分は5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA)として尿中に排泄されるので両者の同時測定が望ましい。
【β-エンドルフィン】
基礎値が低下することがある。β-エンドルフィンは下垂体前葉、中枢神経系、交感神経系、消化管、膵などで産生されるポリペプチドで、中枢神経系では痛覚の調節、下垂体では前葉ホルモン分泌調節を行っていると考えられている。
【5-HIAA】
発作時に軽度~中等度増加する。5-HIAAはセロトニンの主要代謝産物で、血液中の殆どのセロトニンは5-HIAAとして尿中に排泄される。尿中排泄値が高い場合はCarcinoid症候群が強く示唆され診断的有用性が高い。また、脳内のセロトニンは抑制性神経伝達物質として作用しており、髄液中の5-HIAA値は中枢神経系のセロトニン作動性ニューロンの活動性の指標として測定される。バナナの多食で上昇するので採血時に注意する。
検体検査以外の検査計画 頭部X線検査、頸椎X線検査

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