疾患解説
フリガナ | ロッキーサンコウハンネツ |
別名 |
斑点熱 ダニ熱 ダニチフス |
臓器区分 | 感染性疾患 |
英疾患名 | Rocky Mountain Spotted Fever(RMSF) |
ICD10 | A77.0 |
疾患の概念 | RMSFはロッキー山紅斑熱リケッチア(Rickettsia rickettsii)によって引き起こされる疾患で、マダニによって伝播する。北米、中南米で5~9月に流行する。小血管内皮細胞内で、リケッチアが増殖し、血栓が血管を塞ぎ皮膚、皮下組織、中枢神経系、肺、心臓、肝臓、腎臓、脾臓に血管炎を起こす。重症患者では播種性血管内凝固症候群を発症する。4類感染症である。 |
診断の手掛 | 患者の70%は、ダニの刺咬傷を訴える。潜伏期は3~7日であるが、潜伏期間が短いほど感染は重い。ダニの刺咬傷がある患者が突然、重度の頭痛、悪寒、咳、脱力感、筋肉痛を訴えたら本症を疑う。熱は発症数日以内に39.5~40℃に達し高熱が続く。発熱1~6日目に手首、かかと、手掌、足底、前腕に発疹を生じ急速に首、顔面、腋窩、臀部、体幹に広がる。発疹は初期は斑状ピンク色で、やがて斑丘疹状及び濃色に変わる。西半球の住民で森の中や近隣に住み説明のつかない発熱、頭痛、脱力感を訴えたら本症を疑う。 |
主訴 |
悪寒戦慄|Chill with shivening 丘疹|Papule 筋肉痛|Myalgia 頭痛|Headache/Cephalalgia 咳|Cough 脱力感|Weekness 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever 発疹|Eruption/Exanthema |
鑑別疾患 |
エールリヒア症 髄膜炎菌血症 ツツガムシ病 発疹チフス|Epidemic Typhus 発疹熱 麻疹|Measles リケッチア痘 リケッチア症 |
スクリーニング検査 |
Albumin|アルブミン [/S,/U] AST|アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ [/S] Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B] Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B] Leukocytes|白血球数 [/B,/B] Monocytes|単球 [/B] Neutrophils|好中球 [/B] Platelets|血小板 [/B] Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/S] Sodium|ナトリウム [/S] Urea Nitrogen|尿素窒素 [/S] |
異常値を示す検査 |
Casts|円柱 [/U] Creatine Kinase MB-Isoenzyme|CK-MB [/S] Factor II|第II因子活性/プロトロンビン [/P] Factor IV|第IV因子活性/フリーCaイオン [/P] Factor XII|第XII因子活性 [/P] Weil-Felix Reaction|ワイル・フェリックス反応 [Positive/S] |
関連する検査の読み方 |
【CBC】 血小板が減少する。 【臨床化学検査】 低Na血症、AST上昇、高ビリルビン血症がよく見られる。 【間接蛍光蛍光抗体法】 感染していれば、発症7~10日目に診断的意義のある1:64以上の値が得られ、感度94~100%、特異性100%である。 【皮膚生検】 急性期に有用な唯一の診断法は、発疹部分の生検材料のR.rickettsiiに対する免疫組織学的検査である。3mmのパンチ生検で感度は70%、特異性100%である。 |
検体検査以外の検査計画 | 胸部X線検査 |