疾患解説
フリガナ | ケイシツエン |
別名 | |
臓器区分 | 消化器疾患 |
英疾患名 | Diverticulitis |
ICD10 | K57.9 |
疾患の概念 | 憩室症は、大腸に憩室が多発した状態で、長期にわたる低繊維食の摂取が原因とされている。大腸憩室症の多くは無症状であるが、憩室内に糞便や腸内容が停滞すると、粘膜が損傷し細菌感染を起こし、憩室炎となる。また、出血を引き起こすものもある。多くの患者では炎症は局所にとどまるが、25%程度の患者は膿瘍、腹腔内穿孔、腸閉塞等を来す。本症は反復し慢性の経過をとることが多く、大半はS状結腸に生じる。憩室の直径は3mmから3cmを超えるものまであり、通常、複数の憩室を持つ。 |
診断の手掛 | 腹痛、左下腹部の圧痛および発熱を訴える患者を診たら本症を疑う。発熱、左下腹部痛、腹膜刺激症状が特徴的な症状である。重篤な憩室炎の大半はS状結腸で起こる。また、高齢者やプレドニンなどの感染リスクを増加させる薬物の服用者は重篤になり易いので注意する。憩室症患者の70%は無症状であるが、15~25%が憩室炎を発症する。憩室炎は通常、左下腹部の疼痛または圧痛と発熱で発症するが、反跳痛または筋性防御などの腹膜刺激徴候を認めることがある。腹膜刺激症状は、特に膿瘍または遊離穿孔を伴う場合に起こるので注意する。また、虫垂炎、結腸癌、卵巣癌も同様の症状を引き起こすことがあるため、慎重に検査を進める。 |
主訴 |
嘔吐|Vomiting 悪心|Nausea 筋性防御|Muscular defense/Muscle guarding 下痢|Diarrhea 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever 腹痛|Abdominal pain 腹部圧痛|Abdominal tenderness 腹部膨満感|Sense of Abdominal fullness 便秘|Constipation |
鑑別疾患 |
潰瘍性大腸炎|Ulcerative Colitis 過敏性腸症候群|Irritable Bowel Syndrome(IBS) 感染性腸炎 急性虫垂炎|Acute Appendicitis 虚血性腸炎 クローン病|Crohn's Disease 子宮外妊娠|Ectopic Pregnancy 腎結石症 腸閉塞|Intestinal Obstruction 尿路感染症|Urinary Tract Infection(UTI) 敗血症|Sepsis 腹腔内膿瘍 卵巣嚢腫 |
スクリーニング検査 |
CEA|癌胎児性抗原 [/S] C-reactive Protein|C反応性蛋白 [/S] Erythrocytes|赤血球数 [/U] Iron|鉄/血清鉄 [/S] Leukocytes|白血球数 [/B] MCH|平均赤血球ヘモグロビン量 [/B] MCHC|平均赤血球ヘモグロビン濃度 [/B] Neutrophils|好中球 [/B] TIBC|総鉄結合能 [/S] |
異常値を示す検査 |
Occult Blood|潜血反応(便)/グアヤック法/o-トリジン法/ラテックス凝集法 [/F] α1-Acid Glycoprotein|α1-酸性糖蛋白/オロソムコイド/α1アシドグリコプロテイン [/S] |
関連する検査の読み方 |
【CBC】 出血を伴うと貧血になる。白血球は増加する。 |
検体検査以外の検査計画 | 注腸X線検査、腹部CT検査、大腸内視鏡検査 |