疾患解説
フリガナ | オウムビョウ |
別名 | |
臓器区分 | 感染性疾患 |
英疾患名 | Psittacosis |
ICD10 | A70 |
疾患の概念 | オウム病クラミジア(Chlamydie psittaci)の吸入により発症する全身性感染症で、病原体はセキセイインコ、ハト、オウムなどの感染鳥類の排泄物中に存在し、肺炎を特徴とする播種性疾患を引き起こす。4類感染症である。 |
診断の手掛 | 発熱、悪寒戦慄、乾性咳などのインフルエンザ様症状を訴える患者で、鳥類(オウムまたはインコ)との接触があれば本症を疑う。臨床的には軽症から中等症のインフルエンザ様症状から肺炎、重症肺炎までの多彩な症状を呈し、40歳以上で激症化する傾向がある。また、1/4の患者では初期に鼻出血が見られる。 |
主訴 |
インフルエンザ様症状|Flu-like symptoms 悪寒戦慄|Chill with shivening 肝腫大|Hepatomegaly 乾性咳|Dry cough 関節痛|Arthralgia 筋肉痛|Myalgia 頭痛|Headache/Cephalalgia 咳|Cough 全身倦怠感|General malaise/Fatigue 痰|Sputum 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever 脾腫|Splenomegaly 鼻出血|Nosebleed/Nasal hemorrhage/Epistaxis |
鑑別疾患 |
インフルエンザ|Influenza クラミジア肺炎 細菌性肺炎 マイコプラズマ肺炎 レジオネラ症/在郷軍人病|Legionnaires' Disease |
スクリーニング検査 |
Albumin|アルブミン [/U] Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [/S] Alanine Aminotransferase|アラニンアミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ [/S] Aspartate Aminotransferase|アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ [/S] Creatinine|クレアチニン [/S] CRP|C反応性蛋白 [/S] Erythrocytes|赤血球数 [/Sputum] Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B] Lactate Dehydrogenase|乳酸デヒドロゲナーゼ [/S] Leukocytes|白血球数 [/B, /B] Neutrophils|好中球 [/B] Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/U] Urea Nitrogen|尿素窒素 [/S] γ-Globulin|γ-グロブリン [/S] γ-Glutamyltranspeptidase|γ-グルタミルトランスペプチダーゼ/γ-グルタミルトランスフェラーゼ [/S] |
異常値を示す検査 | Complement Fixation [/S] |
関連する検査の読み方 |
【CBC】 白血球は急性期では基準範囲内か低下し、回復期には増加する。 【ESR】【CRP】 ESRは亢進するが基準範囲内の場合も多い。CRPは高値になる。 【DNA検査】 偽陽性の少ない迅速診断であるが、深部組織への感染や不顕性感染では無力である。 【クラミジア培養】 喀痰、胸水、血液の培養では抗菌薬投与前の急性期には陽性である。検査室における培養は危険なので、多くの検査室では検体を受け付けない。 【クラミジア・シッタシ抗体】 補対結合反応と間接蛍光抗体法(MIF)で陽性ならば感染と考える。補体結合反応のみではペア血清で4倍以上、単独血清で22倍以上の増加を認めたら感染と考える。 【尿一般検査】 アルブミンが陽性であるが、一過性である。 【免疫グロブリン】 同定されたIgGとIgM抗体価を測定する。 |
検体検査以外の検査計画 | 胸部X線検査、呼吸機能検査 |