疾患解説
フリガナ | リーシュマニアショウ |
別名 | |
臓器区分 | 寄生動物疾患 |
英疾患名 | Leishmaniasis |
ICD10 | B55.9 |
疾患の概念 | サシチョウバエによって伝播されるリューシュマニアで引き起こされる内臓、皮膚、皮膚粘膜の症候群である。インド、スーダン、中央アジア、地中海沿岸、中南米に分布し内臓リューシュマニア症(カラアザール)、皮膚リューシュマニア、皮膚粘膜リューシュマニアに分けられる。 |
診断の手掛 | 内臓リューシュマニア症:原虫接種の機会が発生後、数週間~数ヶ月で徐々に発現する不規則な発熱、肝腫大、脾腫、汎血球減少を来す患者を診たら本症を疑う。皮膚リューシュマニア症:サシチョウバエの刺咬部位に数週~数ヶ月後に、境界明瞭な中心が潰瘍化し境界が盛り上がった紅斑性の皮膚病変を訴える患者を診たら本症を疑う。粘膜リーシュマニア症:原発性の皮膚潰瘍から始まり、病変は自然に治癒するが、数カ月から数年後に進行性の粘膜病変により鼻詰まり、鼻漏および鼻痛が見られる。 |
主訴 |
潰瘍|Ulcer 肝腫大|Hepatomegaly 結節|Node/Tuber/Tuberdle 紅斑|Erythema/Rubedo 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever 脾腫|Splenomegaly |
鑑別疾患 |
ウイルス性肝炎|Viral Hepatitis マラリア|Malaria らい腫型ハンセン病 |
スクリーニング検査 |
Albumin|アルブミン [/S, /S] Activated Partial Thromboplastin Time|活性化部分トロンボプラスチン時間 [/P] Bilirubin-Indirect|間接ビリルビン/非抱合型ビリルビン [/S] Bilirubin-Total|総ビリルビン/ビリルビン [/S] Erythrocytes|赤血球数 [/U] Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B] Ferritin|フェリチン [/S] Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B] Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B, /P] Immunoglobulin G|免疫グロブリンG [/S] Immunoglobulin M|免疫グロブリンM/マクログロブリン [/S] Leukocytes|白血球数 [/B] Monocytes|単球 [/B] Neutrophils|好中球 [/B] Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/S, /U] Prothrombin Time|プロトロンビン時間 [/P] Rheumatoid Factor|リウマチ因子測定/RAゼラチン凝集反応/リウマチ因子定量 [/S] Uric Acid|尿酸 [/S] γ-Globulin|γ-グロブリン [/S] |
異常値を示す検査 |
Clotting Time|全血凝固時間 [/B] Complement Fixation [/S] Erythropoietin|エリスロポエチン [/S] Haptoglobin|ハプトグロビン [/S] Hemagglutination Inhibition [/S] Interleukin-10|インターロイキン-10 [/S] Soluble CD4+ [/S] Soluble CD8+ [/S] Soluble Interleukin-2 Receptor|可溶性 IL-2レセプター/IL-2レセプター/可溶性 IL-2受容体 [/S] Soluble Interleukin-4 Receptor-α [/S] Volume [/P] β2-Microglobulin|β2-ミクログロブリン/β2-マイクログロブリン [/S] |
関連する検査の読み方 |
【血清学的検査】 ELISA、間接蛍光抗体法、直接凝集法があるが、感度、特異度ともに十分ではない。 【PCR】 診断感度が極めて高い。 【組み換え抗原rk39】 内臓リーシュマニア症では陽性になるが、皮膚リーシュマニア症では陰性である。 【原虫のアイソエンザイム分析】 単純皮膚リーシュマニア症と皮膚粘膜リーシュマニア症の区別が出来る。 【確定診断】 骨髄、脾、肝、リンパ節吸引物、または皮膚病変境界部の生検、タッチ標本のギムザ染色で虫体を確認する。虫体の培養も可能である。内臓リーシュマニア症の診断には血清学的検査が有用である。 |
検体検査以外の検査計画 |