疾患解説
フリガナ | ガラクトースケッショウ |
別名 |
ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損症 ガラクトキナーゼ欠損症 ウリジン二リン酸ガラクトース4-エピメラーゼ欠損症 |
臓器区分 | 先天性代謝性疾患 |
英疾患名 | Galactosemia |
ICD10 | E74.2 |
疾患の概念 | ガラクトースをブドウ糖に変換する酵素の遺伝的欠損により、ガラクトース-1-リン酸が蓄積し、種々の臨床症状を来す疾患で、出生児約100万人に1人の発症頻度である。欠損酵素は、ガラクトース-1-ウリジルトランスフェラーゼ、ガラクトキナーゼ、UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼの3種がある。 |
診断の手掛 | 乳糖摂取後に嘔吐や下痢を起こせばガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ欠損を疑う。白内障の患者で、ガラクトース値が高値ならガラクトキナーゼ血症を疑う。UPD-1-エピメラーゼ欠損は、酵素異常が赤血球に限られるため無症状である。症状および徴候には肝不全、腎不全、認知障害、白内障、早発性卵巣機能不全などがあるが、新生児先天代謝異常マススクリーニング検査の普及と食事からのガラクトース除去により我が国では発症者は稀である。 |
主訴 |
黄疸|Jaundice 嘔吐|Vomiting 悪心|Nausea 肝腫大|Hepatomegaly 筋緊張低下|Hypotonia 下痢|Diarrhea 食欲不振|Anorexia 視力障害|Blurred vision/Visual impairment 認知障害|Cognitive impaorment/Dementia 脾腫|Splenomegaly |
鑑別疾患 |
肝硬変|Cirrhosis of Liver 急性肝炎|Acute Hepatitis 糖尿病|Diabetes Mellitus 糖原病 |
スクリーニング検査 |
Albumin|アルブミン [/U] Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [/S] Alanine Aminotransferase|アラニンアミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ [/S] Aspartate Aminotransferase|アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ [/S] Bilirubin-Total|総ビリルビン/ビリルビン [/S] Chloride|クロール [/S] Glucose|グルコース/血糖/ブドウ糖 [/S, /U] Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B] Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B] Phosphate|無機リン [/S] Potassium|カリウム [/S] Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/U] Uric Acid|尿酸 [/S] γ-Glutamyltranspeptidase|γ-グルタミルトランスペプチダーゼ/γ-グルタミルトランスフェラーゼ [/S] |
異常値を示す検査 |
Amino Acids|アミノ酸分析/アミノ酸41分画 [/P, /U] Ammonium Ions|アンモニウムイオン [/U] Anion Gap|アニオンギャップ [/U] Bicarbonate|血漿HCO3-濃度/重炭酸イオン [/S] BSP Retention|BSP test/ブロムサルファレイン試験 [/S] Galactitol [/U] Galactose|ガラクトース [/S, /U,/RBC] Galactose-1-Phosphate [/RBC, /S] Galactose-1-Phosphate Uridyltransferase|ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスヘラーゼ [/B] International Normalized Ratio|プロトロンビン-INR [/P] Osmolal Gap|浸透圧ギャップ [/U] pH|尿pH [/B, /U] Tyrosine|チロシン [/U] |
関連する検査の読み方 |
【赤血球ガラクトース】 マススクリーニングで10mg/dL以上になる。確定診断に用いる。 【ガラクトース】 高値になる。Galは乳糖が小腸でラクターゼによりグルコースとGalに分解され生成され、肝に運ばれグルコースとグリコーゲンに代謝される。健常人では血中、尿中にGalは殆ど認められないが、先天性代謝異常のガラクトース血症では血中、尿中に出現する。 【クリニテスト】 母乳または牛乳などのガラクトース含有ミルクを摂取している時に尿を採取し還元物質を証明する。 |
検体検査以外の検査計画 |