疾患解説
フリガナ | マンセイジンウジンエン |
別名 | |
臓器区分 | 腎・泌尿器疾患 |
英疾患名 | Chronic Pyelonephritis |
ICD10 | N11.9 |
疾患の概念 | 持続または反復する上部尿路感染により、腎盂と腎実質に慢性炎症、炎症瘢痕形成、萎縮、変形、腎機能障害を来す疾患で、多くは尿路結石や膀胱尿管逆流現象などの基礎疾患を有している。病理学的には、腎萎縮および腎杯奇形に重複して腎実質の瘢痕が認められる。また、慢性腎盂腎炎は、慢性腎臓病に進行する場合がある。稀な亜型として黄色肉芽腫性腎盂腎炎があり、感染に対する異常な炎症反応と考えられている。腎は腫大し、腎周囲の線維化と隣接する後腹膜組織の癒着がみられ、多くは片側性で、腫瘤が触知できる。この疾患は、再発性UTIの病歴を持つ中年女性に好発し、最も頻度の高い起因菌はProteus mirabilisと大腸菌である。 |
診断の手掛 | 尿路結石や尿路形態異常がある患者に、持続または反復する膿尿、細菌尿、混濁尿を認めたら本症を疑う。ただし、症状と徴候は、しばしば曖昧であり、一貫しないので疑わしい場合は尿検査と尿培養を必ず行う。 |
主訴 |
高血圧|Hypertension 混濁尿|Cloudy urine/Turbid urine 食欲不振|Anorexia 全身倦怠感|General malaise/Fatigue 多尿|Polyuria 膿尿|Pyuria 背部痛|Backache 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever 微熱|Low grade fever/Febricula 腰痛|Low back pain/Lumbago |
鑑別疾患 |
慢性膀胱炎 薬剤性尿細管障害 腎結核 |
スクリーニング検査 |
Albumin|アルブミン [![]() Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [ ![]() Alanine Aminotransferase|アラニンアミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ [ ![]() Calcium|カルシウム [ ![]() Chloride|クロール [ ![]() Erythrocytes|赤血球数 [ ![]() GFR|糸球体濾過量 [ ![]() Glucose|グルコース/血糖/ブドウ糖 [ ![]() Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [ ![]() Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [ ![]() Lactate Dehydrogenase|乳酸デヒドロゲナーゼ [ ![]() Leukocytes|白血球数 [ ![]() Magnesium|マグネシウム [ ![]() Potassium|カリウム [ ![]() Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [ ![]() Thyroxine (T4)|総サイロキシン/総T4/サイロキシン/チロキシン [ ![]() Urea Nitrogen|尿素窒素 [ ![]() α1-Globulin|α1-グロブリン [ ![]() α2-Globulin|α2-グロブリン [ ![]() |
異常値を示す検査 |
Ammonium Ions|アンモニウムイオン [![]() Anion Gap|アニオンギャップ [ ![]() Casts|円柱 [ ![]() Ceruloplasmin|セルロプラスミン/フェロオキシダーゼ [ ![]() Citrate|クエン酸/クエン酸塩 [ ![]() Creatinine Clearance|クレアチニンクリアランス [ ![]() Haptoglobin|ハプトグロビン [ ![]() Net Acid Excretion|総酸排泄量 [ ![]() Osmolal Gap|浸透圧ギャップ [ ![]() Osmolality|浸透圧 [ ![]() pH|尿pH [ ![]() Sialic Acid|シアル酸/ノイラミン酸 [ ![]() Specific Gravity|比重(尿)/尿比重 [ ![]() Volume [ ![]() β-Glucuronidase|β-グルクロニダーゼ [ ![]() β-Hexosaminidase|β-ヘキソサミニダーゼ [ ![]() |
関連する検査の読み方 |
【Fishberg濃縮試験】 尿濃縮力障害のため尿比重1.022以下、尿浸透圧850mOm/kg以下になる。尿の濃縮には血清浸透圧の上昇、ADH分泌亢進、腎集合管の水チャンネルの正常な反応が必要である。フィッシュバーグ濃縮試験は水分制限を行いADHの分泌が正常であったと仮定して、腎髄質の尿濃縮能を評価するもので尿細管機能の改善度を知る目的で行う。検査は中程度の腎機能低下症例に行い、腎不全の症例ではGFRの低下を増悪させるので禁忌である。 【尿沈渣】 尿細管上皮細胞、顆粒円柱、ときに白血球円柱が認められる。 【尿培養】 でほぼ常にP. mirabilisまたは大腸菌が増殖する。 |
検体検査以外の検査計画 | 超音波断層検査、ヘリカルCT検査、腎シンチグラフィ、排泄性尿路造影検査、レノグラム |