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疾患解説

フリガナ ベーチェットショウコウグン
別名
臓器区分 膠原病・免疫疾患
英疾患名 Behcet's Syndrome
ICD10 M35.2
疾患の概念 ベーチェット症候群は、粘膜の炎症を伴う多臓器性、炎症性、再発性の慢性脈管炎疾患である。口腔粘膜(再発性アフタ性潰瘍)、皮膚症状(結節性紅斑)、眼症状(虹彩毛様体炎、網膜ぶどう膜炎)、外陰部潰瘍の4つを主症状とする全身性炎症性疾患で、HLA-51やその他の遺伝因子に外因が加わり発症すると考えられている。30歳代に発病のピークがあり、男女比は1:1であり、20代のうちに発病した場合は、男性でより重症となる傾向がある。
診断の手掛 アフタ性口内炎に似た再発性疼痛性口腔潰瘍がある患者が、眼の炎症(疼痛、羞明、眼のかすみ)、性器潰瘍(陰茎、陰嚢、外陰部、膣)、皮膚病変(丘疹、膿疱、小庖、毛庖炎)を訴えたら本症を疑う。また、関節炎、遊走性血栓性静脈炎、慢性髄膜脳炎や多発性硬化症様症状を持つ患者も、本症の可能性を考え検査を進める。口腔内アフタ性潰瘍、陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状が4主要症状である。
【診断基準:2010年厚労省】
主症状:1.口腔潰瘍(粘膜の再発性アフタ性潰瘍)2.皮膚症状(結節性紅斑、皮下の血栓性静脈炎、毛嚢炎様皮疹、座そう様皮疹 3.眼症状a)虹彩毛様体炎、b)網膜ぶどう膜炎、a),b)を経過したと思われる虹彩後癒着、水晶体上色素沈着、網脈絡膜萎縮、視神経萎縮、併発白内障、併発緑内障、眼球労 4.外陰部潰瘍。
副症状:1.関節炎(変形や強直を伴わない)2.副睾丸炎 3.消化器症状(回盲部潰瘍で代表される)4.血管病変 5.中枢神経病変(中等度以上)。
*完全型:主症状4つ。
*不全型:主症状3つ、主症状2つ+副症状2つ、眼症状+主症状1つ、眼症状+副症状2つ *疑い:主症状の一部が出現。
*特殊病型:腸管型、血管型、神経型。
*参考となる検査所見:皮膚の針反応、炎症反応(ESR、CRP、WBC)、HLA-B51。
主訴 関節痛|Arthralgia
外陰部潰瘍|Pudic ulcer/External pudendal ulcer
眼痛|Eye pain/Ocular pain
結節性紅斑|Erythema nodosum
口腔内潰瘍|Oral cavity ulcer
紅斑|Erythema/Rubedo
羞明|Photophobia/Photosensitibity
視力障害|Blurred vision/Visual impairment
性器潰瘍|Genital ulcer
発疹|Eruption/Exanthema
霧視|Misty vision
鑑別疾患 悪性腫瘍
潰瘍性大腸炎|Ulcerative Colitis
関節炎
強直性脊椎炎|Ankylosing Spondylitis
クローン病|Crohn's Disease
サルコイドーシス|Sarcoidosis
深部静脈血栓症|Deep Venous Thrombosis(DVT)
Sweet病
多発性硬化症|Multiple Sclerosis(MS)
痛風|Gout
Buerger病
Vogt-小柳-原田病
薬物中毒
Reiter症候群
スクリーニング検査 Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [/S]
C-reactive Protein|C反応性蛋白 [/S]
Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B]
Fibrinogen|フィブリノゲン/凝固第I因子 [/P]
Immunoglobulin A|免疫グロブリンA [/S]
Immunoglobulin G|免疫グロブリンG [/S]
Immunoglobulin M|免疫グロブリンM/マクログロブリン [/S]
Leukocytes|白血球数 [/B]
Neutrophils|好中球 [/B]
α2-Globulin|α2-グロブリン [/S]
異常値を示す検査 Amyloid β-Protein Precursor|アミロイドβ蛋白質前駆体 [/CSF]
Anti-Entactin Antibodies [/S]
Anticardiolipin Antibodies|抗リン脂質抗体/抗PL抗体/抗カルジオリピン(CL)抗体/ループスアンチコアグラント(LA)/リン脂質抗体 [/CSF]
Cells [/CSF, /Synovial Fluid]
Complement C3|補体第3成分/β1C・β1Aグロブリン/C3 [/S]
Complement C4|補体第4成分/β1Eグロブリン/C4 [/S]
Copper|銅 [/S]
Elastase|エラスターゼ [/Neutrophils]
Elastase-α1-Proteinase inhibitor [/S]
Endothelin-1|エンドセリン [/P]
HLA-B5 [/S]
HLA-D5 Lymphocytes [/B]
Interleukin-1β|インターロイキン-1β [/S]
Interleukin-6|インターロイキン-6 [/CSF]
Interleukin-8|インターロイキン-8 [/S]
Oligoclonal Banding|オリゴクローナルバンド [/CSF]
α2-Plasmin Inhibitor-Plasmin Complex|α2-プラスミンインヒビター-プラスミン複合体/プラスミンインヒビターアンチプラスミン [/P]
Pyridinoline|ピリジノリン [/Synovial Fluid]
Selenium|セレン/セレニウム [/S]
Soluble Interleukin-2 Receptor|可溶性 IL-2レセプター/IL-2レセプター/可溶性 IL-2受容体 [/S]
Thrombomodulin|トロンボモジュリン [/P]
Zinc|亜鉛 [/S]
α1-Antichymotrypsin|α1-アンチキモトリプシン [/CSF]
関連する検査の読み方 【ESR】
ESR亢進、α₂グロブリンとγグロブリン上昇、軽度の白血球増加などの炎症性疾患の検査値が得られる。
【CBC】
活動期には好中球が増加する。
【HLAタイピング】
HLA-B51は本症と強く相関する。
【関節液一般検査】
炎症性関節液の所見を示す。
【髄液一般検査】
神経ベーチェット病の急性型では、蛋白と白血球が増加するが、慢性型では基準範囲内である。
【インターロイキン-6】
神経ベーチェット病の慢性進行型では、髄液中のIL-6の持続的異常高値が特徴的である。IL-6はTリンパ球、Bリンパ球、マクロファージ、線維芽細胞、血管内皮細胞、腎メザンギウム細胞などで産生される糖蛋白で多彩な生理作用を持つ。その生理作用はBリンパ球の抗体産生促進、Tリンパ球の分化や活性化促進、肝細胞によるCRP産生誘導、巨核球や血小板の産生促進、体温上昇、神経細胞の分化などである。
【ミエリン塩基性蛋白】
髄液中の値は基準範囲上限以上である。MBPは中枢神経のミエリン鞘に特異的に存在する蛋白で、自己免疫性脱髄疾患の動物モデル作成抗原として知られている。脱髄疾患の代表である多発性硬化症では、脳脊髄液中のMBP量は臨床症状と良く相関する。臨床的には多発性硬化症の診断、増悪期・慢性進行期・寛解期のステージ判断に有用性がある。また、髄液中のMBP量からミエリン鞘の破壊の程度と大きさが推定できる。
【パテルギー反応】
20ゲージ針で皮膚穿刺し丘疹または膿疱性の反応が出れば陽性。
検体検査以外の検査計画 パテルギー反応検査(Pathergy test)

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