検査・診断Matrix   ご利用の前に  利用方法  検体略号  参考資料
会員
ログイン
新規
会員登録
会員登録について][登録情報
 HOME > 疾患から選ぶ疾患名 > 疾患解説

疾患解説

フリガナ カマジョウセッケッキュウショウ
別名 鎌状赤血球貧血
ヘモグロビンS症
臓器区分 血液・造血器疾患
英疾患名 Sickle Cell Disease
ICD10 D57.1
疾患の概念 殆ど黒人に限って発症する慢性溶血性貧血で、米国黒人の約0.3%は、ホモ接合体を持ち、貧血を来すが、約8%のヘテロ接合体には貧血はない。日本人ではまだ発見されていない。HbSは脱酸素状態で溶解度が低下し、半固体状ゲルを形成し、赤血球膜を内側から突き上げ、鎌状に変形させる。この変形赤血球が毛細血管内で血流障害を来し、様々な臨床症状を引き起こす。
診断の手掛 貧血と血管閉塞による症状が、診断の手がかりになる。四肢が長く、短い体幹と塔のような頭蓋を有する成長障害の患者を診たら本症を疑う。長管骨、手足、及び関節に重度の痛みを引き起こし、関節内出血や大腿骨頭の虚血性壊死もみられる。貧血は、正球性溶血性貧血が特徴的である。微小血管閉塞による急性の胸部症候群が主な死因であるので、胸痛を訴えたら注意する。また、若い男性には持続勃起症がしばしば見られる。異常ヘモグロビン症の新生児スクリーニングにより、殆どの患者は乳児期に診断される。
主訴 易感染性|Susceptibility to infection
嘔吐|Vomiting
関節痛|Arthralgia
胸痛|Chest pain
疼痛|Pain/Ache
背部痛|Backache
貧血症状|Anemic symptom
腹痛|Abdominal pain
腰痛|Low back pain/Lumbago
鑑別疾患 異常ヘモグロビン症
胆石症|Cholecystolithiasis
チアノーゼ
不安定ヘモグロビン症
メトヘモグロビン血症
溶血性貧血
スクリーニング検査 Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [/S,/WBC]
Bilirubin|総ビリルビン/ビリルビン [/S]
Bilirubin-Indirect|間接ビリルビン/非抱合型ビリルビン [/S]
Calcium|カルシウム [/S,/U]
Chloride|クロール [/S]
ESR|赤血球沈降速度 [/B,/B]
Erythrocytes|赤血球数 [/B,/U]
Ferritin|フェリチン [/S]
Fibrinogen|フィブリノゲン/凝固第I因子 [/P]
Follicle Stimulating Hormone|黄体形成ホルモン・卵胞刺激ホルモン/性腺刺激ホルモン [/P]
Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B]
Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B]
LD|乳酸デヒドロゲナーゼ [/RBC,/S]
Leukocytes|白血球数 [/B,/Synovial Fluid]
Monocytes|単球 [/B]
Phosphate|無機リン [/S]
Platelets|血小板 [/B]
Potassium|カリウム [/S]
Uric Acid|尿酸 [/S]
異常値を示す検査 Acid Phosphatase|酸性ホスファターゼ [/S]
Aldolase|アルドラーゼ/アルドラーゼアイソザイム [/RBC, /S]
Alkaline Phosphatase Isoenzymes|アルカリホスファターゼアイソザイム/ALPアイソザイム [/S]
Androgens|テストステロン/総テストステロン/アンドロゲン [/P]
Androstenedione|アンドロステンジオン [/P]
Anion Gap|アニオンギャップ [/U]
Anisocytes|赤血球大小不同 [/B]
Citrate|クエン酸/クエン酸塩 [/U]
Copper|銅 [/S]
1,25-Dihydroxy Vitamin D|1,25-ジヒドロキシビタミンD3/1α,25-ジヒドロキシビタミンD/活性型ビタミンD [/S]
Endothelin-1|エンドセリン [/P]
Erythrocyte Survival|赤血球寿命 [/RBC]
Factor VIII|第VIII因子活性/抗血友病因子 [/P]
Factor B|B因子/C3プロアクチベーター/ファクターB [/P]
α-Galactosidase|α-ガラクトシダーゼ [/S, /U]
Glucose-6-Phosphate Dehydrogenase|グルコース-6-リン酸脱水素酵素/ブドウ糖-6-リン酸脱水素酵素 [/RBC, /S]
β-Glucuronidase|β-グルクロニダーゼ [/U]
Glutamic Acid|グルタミン酸 [/P]
Glutamine|グルタミン [/P,/RBC]
Granulocyte-Macrophage Colony Stimulating Factor|顆粒球マクロファージコロニー刺激因子 [/S]
Haptoglobin|ハプトグロビン [/S]
Hemoglobin A1c|グリコヘモグロビン/糖化ヘモグロビン/ヘモグロビンA1c/HbA1c [/B]
Hemoglobin F|ヘモグロビンF/胎児性ヘモグロビン/胎性ヘモグロビン [/B]
25-Hydroxy Vitamin D|25-ヒドロキシビタミンD/25OHビタミンD [/S]
Hydroxyproline|総ヒドロキシプロリン/ヒドロキシプロリン [/U]
Interleukin-3|インターロイキン-3 [/S]
Interleukin-6|インターロイキン-6 [/S]
Isocitrate Dehydrogenase|イソクエン酸脱水素酵素/イソクエン酸デヒドロゲナーゼ [/RBC, /S]
6-Keto-Prostaglandin F1α|6-ケトプロスタグランジンF1α/プロスタサイクリン [/P, /U]
Lactate Dehydrogenase Isoenzymes|乳酸デヒドロゲナーゼアイソザイム/LDアイソザイム [/S]
Leukotriene B4|ロイコトリエンB4 [/P, /U]
Leukotriene C4|ロイコトリエンC4 [/P]
Leukotriene E4|ロイコトリエンE4 [/P]
Lipids|総脂質 [/S]
Luteinizing Hormone|黄体形成ホルモン・卵胞刺激ホルモン/性腺刺激ホルモン [/P]
Malate Dehydrogenase|リンゴ酸脱水素酵素 [/RBC, /S]
5'-Nucleotidase|5'-ヌクレオチダーゼ [/S]
Osmolal Gap|浸透圧ギャップ [/U]
Osmolality|浸透圧 [/U]
Osmotic Fragility|赤血球浸透圧抵抗試験(サンフォード法)(パルパート法)/赤血球抵抗試験/赤血球浸透圧脆弱性試験/食塩水浸透圧抵抗試験 [/RBC]
Oxygen Partial Pressure|動脈血O2分圧/酸素分圧/O2分圧/PO2 [/B]
Parathyroid Hormone|副甲状腺ホルモン [/P]
pH|尿pH [/B]
Phospholipids|リン脂質 [/S]
Poikilocytes|赤血球大小不同 [/B]
Prostaglandin E2|プロスタグランジンE2 [/P, /U]
Protein C|プロテインC/プロテインC抗原量 [/P]
Protein S|プロテインS/プロテインS抗原量 [/P]
Prothrombin Fragment 1,2|プロトロンビンフラグメント1+2 [/P]
Reticulocytes|網赤血球/レチクロサイト/網状赤血球数 [/B]
Sickle Cells|鎌状赤血球 [/B]
Specific Gravity|比重(尿)/尿比重 [/U]
Substance P|サブスタンスP/ニューロキニンA [/P]
Target Cells|標的赤血球 [/B]
Testosterone|テストステロン/総テストステロン/アンドロゲン [/S]
Thromboxane B2|トロンボキサンB2 [/P, /U]
Tumor Necrosis Factor-α|腫瘍壊死因子-α [/S]
Urobilinogen|ウロビリノゲン定性(尿) [/U]
Viscosity|血液粘稠度/血液流体特性検査/血液流体変動能検査 [/S]
Zinc|亜鉛 [/RBC, /S, /U]
関連する検査の読み方 【CBC】
ヘマトクリット値15~30%の溶血性貧血があり、ヘモグロビンもこれに比例して減少している。白血球数は12,000~15,000/μL程度に増加しているが、クリーゼまたは細菌感染の際には著明に増加する。血小板は通常は増加するが、減少することもある。
【血液像】
赤血球は正球性で、有核赤血球が頻繁にみられる。鎌状赤血球は赤血球の2~50%程度認められる。標的赤血球やハウエル-ジョリー小体が認められる。
【網状赤血球】
著明に増加している。
【鎌状赤血球】
鎌状を呈する赤血球で、ヘモグロビンS症で見られる。ヘモグロビンSが線維状に析出し、赤血球が三日月状の西洋鎌に変形したものである。未染色の血液を還元剤で処理するか、カバーガラス下にワセリンで血液を封入すると鎌状化がみられる。
【電気泳動】
ヘモグロビン電気泳動でヘモグロビンFとSが認められる。ヘモグロビンSはヘモグロビンの85~89%を占める。ヘモグロビンFが高値なら臨床経過は良性である。ヘモグロビンAが検出されたら、ホモ接合体ではない。
【PCR】
出生前検査に有用である。
【尿一般検査】
ウロビリノゲンが陽性になる。
検体検査以外の検査計画 胸部X線検査、骨X線検査、呼吸機能検査

会員の方は、ログインしてご覧ください。
会員登録がまだお済みでない方は[新規登録]ボタンからご登録をお願いいたします。

新規登録 ログイン
上へ

HOME

下へ