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疾患解説

フリガナ ホジキンリンパシュ
別名 ホジキン病
臓器区分 血液・造血器疾患
英疾患名 Hodgkin's Disease
ICD10 C81.9
疾患の概念 リンパ細網系細胞が、限局性または播種性の悪性増殖を来した疾患である。悪性リンパ腫の一疾患単位で、Reed-Sterenberg細胞やHodgikin細胞などの巨細胞の出現が特徴的である。我が国では、悪性リンパ腫の7%程度の発症率で、若年成人(20歳代)と中年者(50歳代)の二峰性の発症年齢分布を示す。ホジキンリンパ腫は、B細胞から発生し、原因は不明であるが、遺伝的感受性および木工業、フェニトイン、放射線療法、化学療法、エプスタイン-バーウイルス、結核菌、ヘルペスウイルス6型、HIVが関与している。殆どの患者は、徐々に進行するT細胞機能障害が見られ、細菌感染症、まれに真菌、ウイルスおよび原虫による感染症を発症する。進行期には、抗体産生が抑制され、敗血症による死亡が多い。
診断の手掛 大半の患者は、無痛性の頸部リンパ節腫脹を訴える他、発熱(Pel-Ebstein熱)、寝汗、体重減少(過去6ヶ月に10%以上)、かゆみ(発症初期)、肝腫大、脾腫等の症状を訴える。また、機序は不明だがアルコール飲料を飲んだ直後に、病変部に痛みを訴えることがあり、早期診断の手掛りとなる。無痛性の触知可能なリンパ節腫大が、頸部、鎖骨上、腋窩に生じるので注意深い触診が重要である。リンパ節腫脹が原因の局所圧迫で、胆管閉塞による黄疸、骨盤または鼠径部のリンパ管閉塞による下肢浮腫、気管気管支の圧迫による呼吸困難、喘鳴と肺実質への浸潤による肺空洞化または肺膿瘍が見られる。また、脊髄を圧迫する硬膜外浸潤で、対麻痺が見られることがある。腫大したリンパ節が頸部交感神経と反回神経を圧迫すると、ホルネル症候群および喉頭麻痺を来すことがあるので注意する。
主訴 黄疸|Jaundice
かゆみ|Itching
肝腫大|Hepatomegaly
呼吸困難|Dyspnea
全身倦怠感|General malaise/Fatigue
体重減少|Weight loss
寝汗|Night sweats
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
脾腫|Splenomegaly
浮腫|Edema/Dropsy
やせ|Weight loss
リンパ節腫脹|Lymphadenopathy
ペル・エプスタイン型発熱|Pel-Ebstein fever
鑑別疾患 悪性腫瘍リンパ節転移
悪性リンパ腫|Malignant Lymphoma
アトピー性皮膚炎|Atopic Dermatitis
エイズ/HIV感染症|Acquired Immune Deficiency Syndrome(AIDS)
化膿性リンパ節炎
関節リウマチ|Rheumatoid Arthritis
結核性リンパ節炎
好酸球増加症|Eosinophilia
サルコイドーシス|Sarcoidosis
全身性エリテマトーデス|Systemic Lupus Erythematosus(SLE)
伝染性単核球症|Infectious Mononucleosis
ネコひっかき病
梅毒|Syphilis
風疹|Rubella Infection
スクリーニング検査 Albumin|アルブミン [/S]
Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [/WBC, /S, /WBC]
Alanine Aminotransferase|アラニンアミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ [/S]
Aspartate Aminotransferase|アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ [/S]
Bilirubin-Total|総ビリルビン/ビリルビン [/S]
Calcium|カルシウム [/S]
CEA|癌胎児性抗原 [/S]
Cholesterol|総コレステロール/コレステロール/コレステリン [/S]
Complement CH50|補体価/CH50 [/S]
Creatinine|クレアチニン [/S]
C-reactive Protein|C反応性蛋白 [/S]
Eosinophils|好酸球 [/B, /Liver]
Erythrocytes|赤血球数 [/B]
Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B]
Ferritin|フェリチン [/S]
Fibrinogen|フィブリノゲン/凝固第I因子 [/P]
Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [/B]
Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [/B]
Immunoglobulin A|免疫グロブリンA [/S]
Immunoglobulin G|免疫グロブリンG [/S]
Iron|鉄/血清鉄 [/S]
Lactate Dehydrogenase|乳酸デヒドロゲナーゼ [/S]
Leukocytes|白血球数 [/B, /B]
Lymphocytes|リンパ球 [/B, /B, /PlF]
Monocytes|単球 [/B]
Neutrophils|好中球 [/B]
Platelets|血小板 [/B, /B]
Protein-Total|総蛋白/血清総蛋白/血清蛋白定量 [/S, /PlF]
Rheumatoid Factor|リウマチ因子測定/RAゼラチン凝集反応/リウマチ因子定量 [/S]
TIBC|総鉄結合能 [/S]
Uric Acid|尿酸 [/S, /S]
α1-Globulin|α1-グロブリン [/S]
α2-Globulin|α2-グロブリン [/S]
β-Globulin|β-グロブリン [/S]
γ-Globulin|γ-グロブリン [/S, /S]
γ-Glutamyltranspeptidase|γ-グルタミルトランスペプチダーゼ/γ-グルタミルトランスフェラーゼ [/S]
異常値を示す検査 1-Methylinosine [/U]
5'-Nucleotidase|5'-ヌクレオチダーゼ [/S]
5-Nucleotide Phosphodiesterase Isoenzyme V [/S]
Adenosine Deaminase|アデノシンデアミナーゼ [/Lymphocytes]
Aldolase|アルドラーゼ/アルドラーゼアイソザイム [/S]
Alkaline Phosphatase, Bone Isoenzyme|骨型アルカリホスファターゼ/骨性ALP [/S]
Alkaline Phosphatase, Placental Isoenzyme|胎盤型アルカリホスファターゼ [/S]
Angiotensin-converting Enzyme|アンギオテンシン変換酵素 [/S]
Bicarbonate|血漿HCO3-濃度/重炭酸イオン [/S]
Bleeding Time|出血時間 [/Patient]
BSP Retention|BSP test/ブロムサルファレイン試験 [/S]
CA 549 [/S]
CD3+ Lymphocytes [/B]
CD4+ Lymphocytes [/B]
CD8+ Lymphocytes [/B]
Ceruloplasmin|セルロプラスミン/フェロオキシダーゼ [/S]
Chylomicrons [/S]
Circulating Immune Complexes|免疫複合体 [/S]
Clot Retraction|血餅退縮能 [/B]
Complement C1|補体第1成分/C1 [/S]
Complement C2|補体第2成分/C2 [/S]
Complement C3|補体第3成分/β1C・β1Aグロブリン/C3 [/S]
Complement C4|補体第4成分/β1Eグロブリン/C4 [/S]
Complement C5|補体第5成分/C5 [/S]
Complement C7|補体第7成分/C7 [/S]
Complement C8|補体第8成分/C8 [/S]
Complement C9|補体第9成分/C9 [/S]
Complement, Total|補体価/CH50 [/S]
Coombs' Test|クームス試験 [Positive/S]
Copper|銅 [/S]
Copper:Iron Ratio [/S]
Creatine Kinase BB-Isoenzyme|CK-BB [/S]
Cryoglobulins|クリオグロブリン [/S]
Epstein Barr Virus Antibodies|EBウイルス抗体/抗EBウイルス抗体 [/S]
Erythrocyte Survival|赤血球寿命 [/RBC]
Erythropoietin|エリスロポエチン [/S]
Fucose|フコース [/S]
Granulocyte-Macrophage Colony Stimulating Factor|顆粒球マクロファージコロニー刺激因子 [/S]
Growth Hormone|成長ホルモン [/P]
Haptoglobin|ハプトグロビン [/S]
Heterophil Antibody|異好抗体 [/S]
Hexokinase|ヘキソキナーゼ(赤血球) [/S]
Hexosamines, Protein-bound [/S]
Hexoses, Protein-bound [/S]
Hodgikin's Immune Complex-associated Antigen [/S]
Hydroxyproline|総ヒドロキシプロリン/ヒドロキシプロリン [/P]
Insulin|インスリン [/P]
Interleukin-1α [/S]
Interleukin-1β|インターロイキン-1β [/S]
Interleukin-2|インターロイキン-2 [/S]
Interleukin-3|インターロイキン-3 [/S]
Interleukin-6|インターロイキン-6 [/S]
Iron Saturation|鉄飽和度 [/S]
Lactate|乳酸/ラクテート [/B, /P]
Lactate Dehydrogenase Isoenzymes|乳酸デヒドロゲナーゼアイソザイム/LDアイソザイム [/S]
Lymphocyte T-Cells|T細胞 [/B]
Lysozyme|リゾチーム/ムラミダーゼ/ムコペプタイド/グリコヒドロラーゼ [/S]
Methyl-1-Adenosine [/U]
N2,N2-Dimethylguanosine [/U]
Neopterin|ネオプテリン [/U]
Neuron-specific Enolase|神経特異エノラーゼ [/S]
Osmotic Fragility|赤血球浸透圧抵抗試験(サンフォード法)(パルパート法)/赤血球抵抗試験/赤血球浸透圧脆弱性試験/食塩水浸透圧抵抗試験 [/RBC]
Perchloric Acid Soluble Protein [/S]
Phosphohexoseisomerase|ホスホヘキソイソメラーゼ/グルコースリン酸イソメラーゼ/ホスホへキソムターゼ [/Lymphocytes]
Phospholipase A|ホスホリパーゼA [/S]
Porphobilinogen|ポルフォビリノゲン [/U]
Proline Hydroxylase|プロリンヒドロキシラーゼ/プロリン水酸化酵素 [/S]
Pseudouridine|シュードウリジン [/U]
Putrescine|ポリアミン/プトレッシン [/S, /U]
Pyruvate [/B]
Reticulocytes|網赤血球/レチクロサイト/網状赤血球数 [/B]
Ribonuclease|リボヌクレアーゼ/RNアーゼ [/S]
Sialic Acid, Lipid-associated [/S]
Sialyltransferase [/S]
Soluble CD30 Antigen [/S]
Soluble Interleukin-2 Receptor|可溶性 IL-2レセプター/IL-2レセプター/可溶性 IL-2受容体 [/S]
Spermidine|スペルミジン [/U]
T23 Protein [/S]
T and B Lymphocyte Subpopulation|T細胞・B細胞百分率/リンパ球サブポピュレーション/リンパ球サブセット [/Lymphocytes]
Tissue Factor|組織因子/組織トロンボプラスチン [/Monocytes]
Tumor Necrosis Factor|腫瘍壊死因子-α [/S]
Tumor Necrosis Factor-α|腫瘍壊死因子-α [/S]
Uric Acid Clearance|尿酸クリアランス [/U]
Vitamin B12 Binding Capacity|ビタミンB12結合能 [/S]
VLDL-Cholesterol [/S]
Zinc|亜鉛 [/Hair, /RBC, /S]
α1-Acid Glycoprotein|α1-酸性糖蛋白/オロソムコイド/α1アシドグリコプロテイン [/S]
α2-HS Glycoprotein|α2-HSグリコプロテイン [/S]
β2-Macroglobulin [/CSF, /S]
関連する検査の読み方 【CBC】
中等度の正色素性正球性貧血を認めるが、時として溶血性を示すこともある。白血球数は低下、正常、増加など様々で特異的な変化はない。著明な低下や増加は予後不良である。好酸球、好中球、単球の増加を認めることもある。
【蛋白分画】
アルブミンは低下する。疾患が活動性であるとα1,α2-グロブリンが増加する。γ-グロブリンは低下あるいは増加し、マクログロブリンを認めることがある。
【T細胞・B細胞百分率】
ともに低値である。リンパ球には細胞免疫を担当するT細胞と体液免疫を担当するB細胞の二つのサブポピュレーションがあり、この二者の比率を検査するのがT細胞・B細胞百分率である。この検査は自己免疫疾患、免疫不全症、血液疾患、アレルギー疾患などの診断や治療効果の判定に有用である。また、リンパ性白血病はT細胞性とB細胞性に別れるが、その分類確定は治療や予後に有用な情報になる。
【EBウイルス抗体】
上昇する。EBウイルスは一般には唾液を介して伝播するが。新生児では母親からの移行抗体によるが、移行抗体が消失する生後6ヶ月頃から初感染が成立する。2~3歳までには70%が感染し、通常は不顕性感染のまま抗体を獲得するので、成人の抗体陰性は少ない。EBV感染症の診断はEBV特異抗体の検出により可能となる
【細胞免疫検査】
細胞免疫に欠陥が認められることがあり、細菌、真菌、特に水痘に感染する危険がある。
【遺伝子検査】
化学療法後の残存細胞の確認、寛解の度合い、浸潤の有無、再発の早期発見に有用である。
【骨髄生検】
組織球、リンパ球、単球、好酸球、形質細胞で構成される特徴的な細胞浸潤とReed-Sterenberg細胞が認められる。
検体検査以外の検査計画 胸部X線検査、体幹CT検査、PET検査、縦隔鏡検査、MRI検査、骨シンチグラフィー
疾患

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